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2005年03月20日

『ローレライ』 ひとのいたみ

ローレライパウラ(香椎由宇)という少女がもだえるのは、遠くで別の誰かが死んだサインです。彼女は一般の人間が行う共感を超えた、超共感とも言える力――水を媒介にした間接的な他者との接触によって、自分の上でヴァーチャルに他者の感情や感覚を体現できる能力――を持っていて、具体的には本来盲目な潜水艦に鮮明な視界を与え、またその副作用として戦死した敵軍兵士たちの痛みを彼女の身体で一手に引き受ける苦しみを背負います。これに似たことが『グリーンマイル』で描かれていましたが、もっと厳密には『ローレライ』は戦争アニメの系譜にあるでしょう。この映画を楽しむためには「戦争は知らないけれどもガンダムは知っている」そういう映像体験が必要なのです。「戦争映画なら何でも見に来る」といった風情のおじいさんたちがエンドマークを見ずして席を立って行ってしまうのは、無理もないことです。

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posted by KINEMAtograph Writers at 04:07| Comment(1) | TrackBack(0) | Kinema | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする