賛否両論とのことですが、私は『華氏911』について賛否のどちらにもつかない感じです。同じような気分の人は多いのではないでしょうか。ブッシュ政権への賛否やイラク戦争への賛否、普段どのような意見を持っているかとは無関係に、『華氏911』の意見に対して自らの旗を示すことに抵抗を感じます。「だまされてたまるか」という気分になるのです。
まずは自らの無知を反省しなければなりません。アメリカの政治制度や徴兵制度、その他もろもろの知識がないこと。英語の聞き取りができないこと。こうした鑑賞以前の問題が私の作品理解を大きく妨げていることを認めざるを得ません。英文の契約書にサインしろと言われても、どうしても躊躇してしまう。その責任は私自身にあります。そしてもうひとつの問題、それはドキュメンタリーというジャンルに属してしまった映画のジレンマ、「作為」に関することです。作為があるからこそ映画たりえる、それは当然として、こんな作為では何も作れない、そんな作為です。
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