実家からベン・シャーンの絵が送られてきました。もちろん本物ではなくて、1981年に開かれたベン・シャーン展のポスターのようです。なぜ今それを送ってきたんでしょうか。押入の掃除でもしたのかしら。ふしぎな気分に引きずられながらも、さっそく新宿の東急ハンズへ行って額を買い、玄関の下駄箱の上に飾りました。
このポスターの中にプリントされた絵には『二十羽の白い鳩』というタイトルがついています。少し調べてみますと、これは『ラッキードラゴン』という一連の作品群に属していることがわかりました。1954年の第五福竜丸(Lucky Dragon)事件を題材に採っています。
画面の上部、半分以上が白い鳩に埋め尽くされています。白は白でも真っ白のあっけらかんとした明るさはなく、画面下部で亡くなった船乗りの肖像を高く掲げている赤い服の女の子と、茶色の柱のようなものにしがみついている男の子の眼差しから、強い憂いと哀切な平和への願いが伝わってきます。眼差しに見つめられて、ふとノスタルジックな気分とともに別の眼差しのことを思い出しました。


