「ロックの学校」の生徒として、私も二つのことを学びました。
一つ目は広い意味でのロック=反骨精神を最近忘れていたなあ、ということです。でもそれは芸術家や自分のお店を開いている人たちが素敵で、会社員としてもくもくと仕事をしているのは夢がなくて駄目とか、そういう意味ではありません。上司の悪口を言いながらもどこかで格好いい野望を抱いていたり、仕事上で見返してやったり、そういった反骨精神がなくなったらつまらなく生きることになってしまう。「いまを生きる」というスクールムービーもこの映画と似たようなことを観るものに伝えようとしてきます(まぁ学校ものは大抵そうだけど)。私の身近にいるロック野郎たちは、なにかあるごとに「それはロックじゃない」「ロックだね!」と口癖のように連呼します。そんな精神論を言われても困る、ロックかぶれは鼻につく…、とそんな彼らを目の前にしちょっと嫌悪感を抱くこともありますが、今日は私も、不覚にも「ロックな感じに」なってしまいました。
二つ目は特性(個性)です。この「ロックの学校」ではすべての生徒が特性にあった役割を与えられて、その任務を全うします。これの凄いのは、バンドってものが家族や会社、ひいては社会全体を縮図としているところです。人が集合している場所では、様々な特性や役割によって全体のバランスが取れるものです。よく経営コンサルタントが、サッカーを会社に例えて話をしますが、それに似ています。初め、クラスの生徒たちはまったくロックに興味のない子たちばかりでした。それが半強制的にロックの洗礼を受け、才能を開花させていくんです。人って自分自身の特性はなかなか分かりません(私だけ?)。好きなことを仕事にしている人は結構いても、特性を生かした仕事をしている人はきっとわずかなものです。このバンド結成のなり初めは、特性というものは半ば無理やりそういう状況に置かれてみないと見出すことができないのだ、ということを見事に描いていて観ていて感心してしましました。
私事で恐縮ですが、人事異動で明日から新しい職場に行きます。どんな職場かまったく見当もつかないで不安でいっぱいなのですが、今日この映画を観ておいて良かったなと思いました。解せない状況やつまらない仕事の中でも、ロック魂をもって、特性を見出せばきっと自分の思う方向へ物事は進むでしょう。ジャック・ブラックが、始めのダイブでは客に逃げられたのに、最後のダイブでは受け止められたのが凄く印象的でした。社会人の方にはぜひ観ていただきたい感じです。
まぁ、なんだかんだいってますが、音楽映画はそれだけで無条件にいいんですけどね。これを読んでる暇があったらすぐにでも観にいったらいいんじゃないかと…。
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[2003米/UIP][監督]リチャード・リンクレイター[製作]スティーヴ・ニコライデス/スコット・アヴァーサノ[製作]スコット・ルーディン[脚本][出演]マイク・ホワイト[撮影]ロジェ・ストファーズ[音楽]クレイグ・ウェドレン[出演]ジャック・ブラック/ジョーン・キューザック/サラ・シルヴァーマン/ジョーイ・ゲイドス・ジュニア/ケヴィン・クラーク/ロバート・ツァイ


